たんぽぽ

どうして…?





この人、なんであの絆創膏を持ってるの?




かつて宮原くんと呼ばれた男の子は、しばらくそのままで



真剣な眼差しで見据えていた。



『なんで…』



あなたは、いったいこんなところで
そんな険しい顔をして
誰に、手を合わせているの?




ううん。
誰がここで死んだの?




わかってるじゃない。




『……あたし…?』




あたしはそっと呟いた。



あたしがゆっくりと宮原くんのそばに歩み寄ったとき、




「…なんで」




『えっ…』




「なんで、死んだんだよ…」




宮原くんが言った。
すっと手をおろした宮原くんは続けた。




「コンクール…。出るんじゃなかったのかよ」




どうしてあたしを知ってるの?




あたし、あたしはこの人のこと、宮原くんを死んでから知ったのに…。





「悪ぃな。また、喧嘩やっちゃってさ…」




またって…。




もしかして…。






もしかしたら宮原くんは…。




『あの時の…?』