たんぽぽ

『とにかく、選抜コンクールの曲を頑張っていこう。見返してやれ!』





『……そぉですね…』



あたしは力なく答えた。




悔しい。こんな汚れた気持ちでピアノに触れるのは初めてだ。





悔しい、悔しい!!





あたしは我慢出来ずに音楽室を飛び出した。









みんなの声が聞こえる。




あたしを貶す声が。





みんなが笑ってる。





あたしのことを見下して。







教室、廊下、グランド…。どこにいっても、逃げられない。




そんな時、あたしの前に立ちはだかる影が見えた。





『奈々』





『真奈美…。大丈夫?こんなに傷だらけで…』






奈々が心配そうにあたしの顔を覗きこんだ。




奈々の顔を見上げると、後ろには美祐と茜くんがあたしを見つめて立っていた。




『おいで。仲直りしよ?』





奈々はそう笑って言うと、あたしの手を引いて歩きだした。





そう、それがあたしが最後に奈々を信じた瞬間だった…。