たんぽぽ

「ねぇ、奈々・・・」


そっと、美祐が口を開いた。


「何?あんたも彼氏欲しい?合コンでもする?」


「違くて・・。・・・・っまなのこと・・」


あたしの名前が出るなんて思ってなかった。


でも美祐はきっと・・・・。


「ね、あいつが死んでもう半年経ったんだよ?
 もういいじゃん。学校側だって、
 真奈美が死んだのは自殺だったっていってたし!!」


奈々が叫ぶと、美祐は黙って俯いた。


一番、あたしの死に罪悪感を感じてるのは美祐かもしれない。


でも、あたしが一番それを持って欲しいのは美祐じゃない。


目の前でへらへら喋ってる奈々だ。


だからあたしは、奈々に近づいた。


奈々の口に手を持っていくと、


あたしの手は、奈々の体をすり抜けた。