たんぽぽ

この時間になると、もう教室にはちらほらと
クラスメートが集まっていて、
他愛もない話をして盛り上がっているはずなのに、



今朝だけは違ったの。





『何・・・これ・・・』




―五十嵐真奈美、早朝密会!!!-





ーコンクール優勝は審査員への賄賂!?―




2枚の写真とともに大きくかかれたその文字には
見覚えがあった。





奈々の字だ・・・。






奈々を見ると、そこには冷たい表情をした奈々がいて、
あたしをじっと見つめて座っていた。





違う。この人は、あたしの知ってる奈々じゃない。
誰・・?何でこんなことするの?




こんなこと、許されるのは中学生まででしょ!?






くだらない!くだらない!!





あたしは急いで前にたつと、写真を乱暴に引き剥がした。
大きな文字を消し始めると、
あたしのその背中に、容赦ないクラスメートの罵声が響く。





『最低だな。お前・・』





『大人しい顔しちゃってさ・・』




『でも、五十嵐さんって、見えなくない?』




『馬鹿。こういう人ほど裏は怖いっていうでしょ?』




『美祐や奈々ちゃんが可哀想だよ・・・』




『はぁ。がっかりだよな・・』




『クラスの恥だよ。こんな奴・・』





みんな、よくそんな風にいえるね・・・。
昨日までは、普通に仲良かったはずなのに・・。





実際にそうかも分らないのに、
みんなで掌を返したようにまとまって・・。





やだ、やだ、やだ!!!!




こんな教室、こんな空間にいたくない!!




気付くとあたしは廊下に飛び出していて、
まだ騒ぎ続ける教室を振り返ることなく
ただ、ひたすら走った。



ついた先は屋上で、
あたしは零れた涙を抑えることが出来なかったの。