たんぽぽ

それは偶然で、
もしかしたら変な誤解を招くこともなく、
なぁんだ。そんなこと?って
そう終るようならよかったのに、




奈々が来たタイミングは
悪いことに、すごくいいものだったの。





『こんな朝早くから2人で・・・。
 あんたたち、一体どういう関係なの・・・?』




『奈々・・・・。違っ・・・これは・・!!』





『何が違うの!?あたしは真奈美に謝ろうとしたのに・・。
 それなのにこんな・・・っ。ひどい・・・』




待って。待って。




奈々。話をきいて・・。




この人は奈々の好きな宮原くんじゃな・・・。






あれ?



この人、名前は何ていうんだっけ?





そういえば、あたしはこの男の子の名前を知らない。





もしかしたらこの人が・・・?




『おい、あんた。話を聞いてやるってこと
 できねぇのかよ?』




男の子が騒ぐ奈々に一言そういった。





『は・・・?どーしてあたしが怒られるの?
 悪いのは全部、全部真奈美が悪いのに!!』





『あた・・し・・?』




奈々はそういってあたしを睨みつけると、
音楽室を飛び出していった。





『あ・・・・。ごめんなさい・・っ!!』





あたしは残された男の子に向かって頭を下げると、
奈々のあとを追いかけた。





まだ、間に合う。




奈々は誤解してるだけ。




でも、あたしが悪いのは一体何なんだろう・・・。




何かしたかな・・・?






記憶がない。




だって、何時だって奈々は笑ってたから・・。




もし、心当たりがあるとすれば・・。




『コンクール・・・??』




あたしは立ち止まって呟いた。
ううん。違う。だって、奈々とは一緒に励ましあって
頑張ってきたじゃない。
じゃあ、何がいけなかった?
何が、奈々を怒らせたの?




分らない。わかんないけど、
早く、元通りにならなきゃ・・・っ。








でもね、もう遅かったの。
あたしの不幸のどん底は、
もう始まってたから・・・。





あたしが教室に戻ったときには、
事態は最悪なことになってた。