淡々とあたしに気付かない奈々は話を続けた。


「まぁまぁ。次行こ?次」


そう宥めるのは美祐。


あたし、美祐だけは信じたかった。


だけど・・・。


「ありえなくね?なんでキレんだっつぅの!!
 前から思ってたけど、あいつ自分の顔みたことあんのかね」


は?


あんたこそ、鏡でよく見てみなよ。



いえたもんじゃないよ・・。



2人とも、あたしがいることは分ってない。



だって、死んでるから。




ううん。



死んでなかったとしても、



あたしは空気みたいなものだったから、



きっと生きてても気付かないんだろうなぁ・・・。



絶対に。