ぽつぽつと、雨が降り始めてきた。


転んだ拍子に、美祐に買ったプレゼントが地面に投げ出された。


『あ・・・!』



あたしが拾おうとすると、奈々が足で踏み潰した。
ぐしゃっと音がして、茜くんと一緒に選んだ時計が、
音をたてて壊れ始めた。


中からガラスの破片が飛んできて、あたしの頬にあたった。


『・・・っつ・・・っ!!』



『真奈美が悪いのよ・・・。
 あたしの、あたしのプライド、あんたのせいでぐちゃぐちゃよ!!』



『奈々!話しを聞いて!?あたしはただ・・・』



『うらんでやるわ。真奈美の・・・。あんたの大事なもの全部。
 全部あたしが壊してやるから』



え・・・・。



奈々。




どうして?どうして話をきいてくれないの?




奈々はあたしに冷たい眼差しで見下ろすと、



走っていってしまった。