たんぽぽ

室内がしんと静まり返る。


聞こえてくるのは、グラウンドで動き回る、
部活動の騒がしい音だけ。



あたしはじっと見つめてくる男の子を直視できなくて、
ぱっと視線をピアノに向けた。



『俺さ、喧嘩。やめたんだ』


『え・・?』



『あんたが、初めて俺のこと、褒めてくれたからさ。
 だからやめたよ』



『そ、そうなの・・・?』



『俺、みんなからよく思われてねぇからさ、逆に荒れるんだよな。
 でも、あんたのおかげで、タバコも、喧嘩もやめた』



タバコまでしてたなんて聞いてないよー。
てか、全然、そんな人に見えないのに・・・。



『そっか。良かった』


『サンキューな』


『え?あっ!ちょっと・・・・!!!』



男の子はそういうと、すぐに走っていってしまった。











     ―どーして?どーしてなの・・・?―