たんぽぽ

『おめでとう!まな!!』


コンクールが終って、美祐があたしに駆け寄ってきた。
あたしはお礼をいって微笑むと、奈々の姿を探した。


奈々、大丈夫かな・・・。


『五十嵐。やっぱりお前はすごかったぞ。
 中埜と寺嶋もほめてた。本選も頑張ろうな!』


『ありがとうございます。・・っ先生!奈々は・・・?』



先生は曇った顔をしていいにくそうにして美祐と目配せをした。




『寺嶋は、13位だった。大分ショックみたいで、今日はもう帰ったよ。
 しかし、そこまで悪くないと思って聞いてたが・・・』



奈々が・・・最下位?



嘘でしょ?


あんなに練習して、あんなに上手に弾ききって、
それでも最下位!?


『今日のところはお前たちも帰りなさい。
 寺嶋のケアは、私がするから』



先生にそういわれて、あたしたちは2人で帰った。


『奈々・・・・』


あたしが呟くと、美祐はいった。


『仕方ないよ。それでまなが気にかけることはないよ。
 それより!!本選は自由曲もでしょ?頑張ってよー!!』



「美祐・・・。ありがと・・』



美祐のおかげで、少し心のもやもやがはれた気がした。



その日の夜、あたしはあの、ステージで拍手を貰った感覚を
思い出して賞状を抱きしめた。