たんぽぽ

アナウンスが響くと、あたしの心臓は跳ね上がった。


どうしよう・・。緊張する。
あたしは不安と緊張を隠せないまま、。ステージに上がった。



奈々たちはすぐに見つけられた。
2人とも、笑顔であたしにエールを送る。


あたしは深呼吸して椅子に座った、鍵盤に手を置いた瞬間、
今までの緊張が一気になくなった。
残ったのは、あたしの中の、ピアノ大好きっていう気持ちだけ。





自分で何処までいったのか分らないくらい夢中だった。
気付くと演奏は終っていって、あたしは一息して立ち上がった。


お辞儀をした後に、客席を見たとき、あたしは何か分らない不安を覚えた。



(奈々が・・・笑ってない・・・・)



どうしたのかな?
美祐と先生が立ち上がる中、奈々は黙って唇をかみ締めていた。
もしかして、自分の演奏に納得できなかったのかな?
奈々にあったら、励ましておこうかな。
そう考えながら、あたしは控え室へと戻った。





『奈々!!』


表彰式のために、控え室にきた奈々に声をかけた。
奈々は相変わらず暗い表情だけど、あたしが話しかけると
にっこり笑ってくれた。


『お疲れ様!真奈美、上手かったよ!』


『ありがとう!でも奈々のほうが上手かった。
 あたしはまだ、納得する演奏が出来なかったから・・・』



あたしがそういうと、奈々は俯いた。
あれ?どうしたのかな?
あたしはもう一度、奈々の顔を覗き込もうとしたとき、
表彰式の合図が出された。



結局あたしたちの会話はそれきりで、
参加者全員が、ステージへと上がった。