たんぽぽ

『あれ?奈々は?』



いつの日からか、奈々がお昼を一緒に食べなくなった。
美祐が教えてくれたことによると、
先生に用事があって1人で済ませているらしかった。



『大丈夫かなぁ。奈々。
 ね。それよりさ、2人で食べるのって久しぶりだね!』




『そうだね!まなと2人なんて久しぶり!』



美祐とあたしは2人で笑いながら過ごした。
楽しかったの。
別に、奈々がいるからどうとかじゃなくて、
前からの、親友として長かった美祐との会話は
どこか特別なものがあった。




それは美祐も同じらしくて、
普段話さないような恋の相談までされた。



『あのね、まな、宮原くんって知ってる?』



『宮原・・・?知らない』




美祐は恥ずかしそうに手をいじりながら口を開いた。



『宮原涼介くんっていうんだけど、
 あたし、好きになっちゃって!!
 まなは応援してくれる?』



『ん。誰だかわかんないけど、美祐が惚れたなら
 いい人に決まってる。頑張って!!美祐!!』



『それでね、このこと、奈々には言わないで欲しいの・・』



『・・・なんで?友達じゃん』



美祐は言いにくそうにあたしを上目遣いで見つめた。
もう。可愛いんだから。
奈々も美祐も、2人して可愛いから、
なんだかあたし、埋もれていくみたい・・・。



なーんて思ったり。



『奈々もね、宮原くんのこと、好きみたいで・・・』



『へ!?そうなの!?うわ~。きっついね』



『だから内緒で!!ね?ね?』



『ん~。分った!!そのかわり、奈々にも応援してっていわれたら、
 本当のこといってもいい?』




『大丈夫!!!まな大好き!!』




そう。この恋愛相談も、
あたしがいじめられていくのに重要な材料だった。




美祐と奈々との間で、
あたしはあいた溝に落ちていってしまったの。