また、屋上へと戻る。


こんな姿になってからは、いつも決まって此処にいた。



別に、特別な理由があるってわけじゃなかったけど、
なんとなく、ここが一番落ち着けると思ったから。



フェンスを越えてゆっくりと座る。
ここから何度、飛び降りようって考えたかな?



死にたい。
そう思いながら階段を上がってここまでくる。
でも真下を見ると、
死にたくない。
ただそれだけがあたしを募らせる。



いじめなんて、あたしには程遠いものだと思ってた。
だってあたしには、親友は美祐と奈々しかいなかったし、



そんなにみんなでもめたことはなかったから。



「はぁ・・・。ここって、いつも見えるんだよね」



ため息をついてそう呟く。
ポツリ、ポツリと、毎日、毎日・・・。



そう。広く高い屋上からは全てが見える。
はっきりと、全部が。



だからあの場所だって見えてしまうの。
あたしの最期の場所。



あれから使われることのなくなった、
大きな、大きなプールが・・・。