あたしが思い出に浸っていたそのときだった。
「美香!!」
「離してよ!!もういいんだってば!!」
聞き覚えのある声がした。
声のするほうを見ると、
宮原くんと美香がいた。
みんなが振り返るほど、
二人は大きな声で言い合っていた。
「良くないだろ!?お前さ、ちょっとは俺の話きけよ!!」
「涼介はあの子がいいんでしょ!?」
二人のその会話をきいて、
周りにいた生徒がざわつき始めた。
<なになに?浮気?>
<宮原ってさ、やっぱり・・・>
<最近いいかなって思ってたのに>
<二股とか最低>
みんなが色んなことを言う。
昔のように。
あの時みたいに、宮原くんを見る目が変わっていく。
『・・・めて・・・・』
やめて。
やめてよ。
『やめて!!』