たんぽぽ

「五十嵐!?どこいったんだよあいつ・・・。
 おい!五十嵐!!ここにいるのか!?」



必死で叫ぶ宮原くんを見て、
あたしは胸が締め付けられるようで苦しかった。



嘘。あたしのバカ。
宮原くんにかかわらないなんて言っちゃって



あたし自身がそんなの、耐えられないはずなのに・・・。



宮原くんは一人でいるみたいだった。
美香の姿はなかった。



今なら、ちょっとならいいかな?
一言でもいい。会話がしたい。



宮原くんを安心させてあげたい。


プールからいきなり出たら、びっくりするかな?



わっ!ってなって、それで宮原くんは笑ってくれるだろうか。



あたしは少し楽しくなって、ついつい頬が弛むのを感じた。


そして、プールからこっそりあがって宮原くんの後ろに立ってみた。



大きな背中。優しい。

それらがとっても愛しくて。



『宮原くん。ここだよ』



あたしはそっと後ろから声をかけた。



だけど―










「五十嵐!?・・・ここにもいないか・・・」







『宮原くん??ここにいるよ??』







「ほんと・・・。どこいったんだよ・・・っ!!」






『あっ・・待って!!宮原くん!!宮原くん!?
 あたしはここにいるよ!?ちょっと、待って!!』











何かが、おかしかったんだ。