たんぽぽ


「あたしがいいたいのはそれだけよ。
 わかった?涼介のそばにいるのを見つけたら
 あたしはいつだってばらしてやるんだから」



美香はそう言うと、ゆっくりと屋上を出て行った。



あたしは何もいえないまま、
その場に立ち尽くす。


どうして?


美香がどうしてあたしを邪魔だと思う必要があるの?



だって、あたしは死んでて
生きてる人間じゃないのに・・・。



あたしのこの中途半端な存在の
何が邪魔になるっていうの?



『どうして・・・・?』



そっと呟くと、途端に涙が出た。



宮原くんか、奈々たち友達か。


そんなの選べないよ。


だって、あたしにとって
どっちも大切だから・・・。





どっちも大事な人だから…。







「あれ?美香、帰ったのか?」



ふいに、宮原くんの声が聞こえて



あたしは咄嗟に顔をあげた。



『今、ついさっき行っちゃったよ?』



「なんだあいつ。誰も呼んでなかったじゃんかよ。
 ん?どした?なんか元気なくね??」



『ううん。大丈夫・・・』



宮原くんに気付かれないように
愛想笑いを続けるあたし。


黙っていなくちゃ。
だって、ここであたしが言ってしまったらきっと、



きっと宮原くんは、美香を嫌いになってしまうから・・・。