『あ、美祐だ・・・』



あたしが美祐に気付いたのは、
お昼を過ぎた頃だった。



宮原くんのタンポポの前で
手を合わせる彼女の顔は、


以前、部屋で会った美祐の絶望感で
いっぱいの顔じゃなかった。


何かがふっきれたみたいな、そんな感じ。



隣には奈々もいて、
一緒に手を合わせてくれていた。



本当に、変わったなぁ・・・。


これで、良かったよね?
みんなが元通り。


ただ、あたしがいないだけで・・・。



『あー!!もう。こういうのやめなよ!!』



卑屈になりがちな自分に叫ぶ。


最近、こういうのばっかり。


なんでだろ・・・。



「ねぇ、奈々。ありがとう」



「美祐・・・?」



2人が会話をし始めたのが聞こえて、
あたしは静かに2人を見つめた。



「毎日、家に様子をみに来てくれて・・」



「そんな、だって友達でしょ?」



そっか。奈々、やっぱり美祐の家に
行ってたんだね。



「あのね、変なこというんだけど、あたし、
 ・・・っまなのことが・・・」



美祐が言いづらそうにしてること、あたしはわかった。


“まながみえたんだ”



そういおうとしたんでしょ?



美祐が言い終える前に、奈々が美祐の肩に手を
やった。


「大丈夫。わかるよ。あたしも、真奈美に会ったから」



「え・・・?」