あたしが黙ってると、
宮原くんはそれに気づいた。



あたしにそっと近付いて
口を開く。



「こいつ、山本美香。俺の幼馴染」



え・・・?
幼馴染・・・?



『幼馴染・・・?』


宮原くんは美香に気付かれないように
小声で続けた。


「そ。いっとくけど、彼女じゃねぇよ?」


『なんで・・・』


なんであたしの思ってたことわかったの!?


あたしはびっくりして宮原くんを見た。



「変な勘違いすんな、アホ。顔に出てるよ」



あたしは自分の顔をおさえた。


嘘、あたしそんなに顔に出てる・・・!?



あたしの行動を見て、宮原くんは笑った。



「とにかく、こいつ追っ払うから
 ちょっと待ってろな」



『え・・・。いいよ。せっかく会ったんだし、
 少し話してきても・・・』



あたしの声は聞こえたかわからないけど、
宮原くんは美香に向き直った。



「美香、とりあえずお前帰れよ。
 彼氏いるんだろ?空手部のあのでっかいやつ」



「あれは彼氏じゃないもん。あたしが好きなのは・・・」



美香はそういいかけて目を逸らした。



あ・・・。



もしかして・・・。



もしかしたらだけど、美香は-。



「んだよそれ。相変わらずだよなお前。
 さ、いいからもう戻れよ。暗くなる前に」



「じゃあ、涼介が送って?」



「はぁ!?」



美香は突然そう言ったかと思うと、
宮原くんに抱きついた。




『・・・・・・・・・!?』