たんぽぽ


「え・・・・・・?」



奈々の持つ弦は、音を立てて床に落ちた。



気付くとあたしは飛び出していて、
奈々と、その弦の間に立ってた。




「ま・・・真奈・・・美・・・・・・?」




『え・・?』


顔をあげると、奈々が目を見開いて、
“あたし”をしっかりと捉えていた。



あれ?
うそでしょ?


まさか、奈々・・・。



『奈々・・・。見えてるの・・・・・・?』




「うそ・・・。だって・・・そ、そんな・・・・・・」



怯えた表情・・・。
間違いなかった。間違いなく、今の奈々には、
あたしが見えていた。


なんでだろう。
どうして急に、見えるようになったのかな?



もしかしたら、奈々は今死のうとしてて、
死が近くなってたから、


あたしの姿が見えるようになったのかもしれない。



きっと、ううん。絶対そうだよね?



『奈々・・・。見えてるなら聞いて?あたしの声・・・』




「どうして真奈美が・・・っ!?
 茜が言ってたのは・・・やっぱり真奈美だったの!?」



『そうだよ。あの時でしょ?
 茜くんはもう、今は見えてないみたいだけど・・・
 あの時だってあたしはあの場にいたよ?』



「うそでしょ・・・。なんで・・・だって、死んで・・・っ!!」




必死に口を開く奈々。


あたしは真剣な表情で奈々を見つめた。



『あたしにもわかんない。今、なんで奈々に見えるようになったかとか、
 死んでるのにどうしてここにいられるのかとか・・・』



「え・・・?」



『だから、いつ、見えなくなるかもわかんない。
 いつ、ここから消えてしまうかも、あたしにはわからない』




そう。多分、あたしがこの世にい続けることは、
きっともう、無理なこと。






だから―。






『だから、聞いて?』



「・・・真奈美」









『あたしは、奈々と仲直りしたい・・』







「仲直り・・・・・・?」