奈々は出会ったときから、
どこか不思議な雰囲気のする子だった。



かわいくて、ピアノも上手で、
男の子とも仲良くて・・・。



あたしにとっては、奈々が目標だった。


奈々みたいにピアノも上手くなりたい。

奈々みたいに、かわいくなりたい。


奈々みたいに、誰とでも仲良くできるような
そんな明るい自分になりたいって・・・。



そんな奈々が、羨ましかった。



だけど、妬んだことは一度もなかった。


奈々はどうして、間違えちゃったんだろう・・・。



ずっと、あたしだけが被害者なんだって
そう思ってた。


奈々の罪は重いと思う。


今、この話を聞いたって許してやろうとは思わない。


だって、死んじゃってるから。


これが生きてて、今までいじめててごめんって
そういう話だったら、


うん。許すよ。許してあげるって、



そう笑っていえたはず。


だけど、あたしは死んでるから・・・。


だから、簡単になんて許せない。


奈々には沢山の罪がある。



だけど、あたしにもあるよね。





あたしの、



あたしの罪は―