あたしの席だった場所に座る。


ため息混じりに黒板に目を通した。


数学かぁ。好きだったのになぁ。数学。


みんな、みーんな元通り。


もしあたしがみんなの立場で、クラスメートが死んだりしたら、


あたしもこんな風に忘れて、元に戻るのかな?



『みんな、勉強頑張れー…』


なーんて、聞こえもしないのにそう呟く。


ふと、窓の外をみた時だった。



『あれ…?』




外に、誰かの人影を発見した。