「なぁ、やっぱいいわ。待ってろよ」



『だーめ。あたしも行くもん』



朝からこれの繰り返し。
あたしたちはこう言い合いをしているうちに
現在3時間目を逃した。


心配だから、あたしもついていくって言ってるのに、
宮原くんはあたしに来るなっていう。


それで、今現在バトル中。


『てか、ダメって言われても行くからね』



「ぜってぇ来んなよ!?ここでじっとしてろ」



『ほら、早くしないと学校終わっちゃう』



「お前が大人しくしてれば済む話じゃん」



でも、途中で気付いた。
こんなことしてたら、宮原くん、変な人じゃん!?


壁に向かって怒鳴りつける男子高生って・・・。



『あぁあ・・・っわかったから。あたしの負け。
 ここで待ってるから、お願いだからもう行って?』



「なんだよ。急に・・・」



宮原くんは不思議そうな顔をして渋々と歩き出した。
向かう先は教室。


昨日みたいなこと、ならなきゃいいけど・・・。



ていうか、みんなは多分、宮原くんのこと、
快く受け入れたりしてくれないよね・・・?



『大丈夫かなぁ・・・』



そわそわして、ピアノの前をぐるぐる回ってみたり、
タンポポをじっと見つめてみたりした。


だけど、なんだか落ち着かない。



『あーもう!!気になるよぉー!!』