「や。何でもねぇ」


茜くんは言葉を濁して飲み物を飲み始めた。


「2人とも、何なの?一体。なんで今さら
 あんなこと蒸し返すの!?
 もう、真奈美のこと口に出さないでよ」


美祐は黙って俯いた。


茜くんはというと・・・。



「はぁ・・・。だな」


やっぱり、本当なんだ。


茜くんは、あたしが思ってた人と全然違うこと。


美祐は何もいえなかったのに、


茜くんはいつだって奈々に賛成する。


2人、付き合ってるのかななんて思ったりして


生きてるときは焦ったこともあったっけ?


『やめよう・・・。こんな虚しいこと・・』



その場にいるのが耐えられなかった。


これ以上ここにいるのは無理だった。


あたしは3人の笑い声を耳に残しながら


ゆっくりとその場をあとにしたの。


聞きたくなかった。


茜くんの、あたしを否定する言葉を・・・。