初恋のあじ



私はナイフを握りしめ、
咲夜に突きつけた。

咲夜は眼圧を強め、

「殺れるんなら、殺れよ。
人殺し。」

もう何も見えなくなっていった。世界が真っ暗になった。

私は、咲夜に向けてナイフを振り下ろした。

「どうしてわかってくれないのよ!」

「あんな女より、私の方が尽くしてきたじゃない。」

「私は全部、咲夜のためを思って頑張ったのに!」

痛みに悶え、仰向けになっている咲夜に、馬乗りになって何度も、何度も。

咲夜の生死なんか、
全くわからなかった。

涙で前が見えなかった。