キープアウト!―亮二サイドストーリー―

そう。

樹里を相手に出来るのは、オレしかきっといない。




それから、部屋を掃除して、樹里はオレに牛丼を作ってくれた。

久しぶりの樹里の手料理。

美味しいや。



「そういえば亮二、なんであたしがマスターの店にいるって分かったの?」

「あぁ。それは……」

オレはマスターから、電話があったことを話した。

樹里は、マスターが自分のことを、心配してくれていたことが嬉しそうだった。



「亮二、今日帰る時、あたしも来ていい?」

ご飯を食べ終えた後、樹里が聞いてきた。

「オレの家に泊まりに来るってこと?」

「ダメかな?」

「いいよ。じやあ今から行こうか?」

「うん」

樹里は、お泊まり道具一式と会社の制服を持って(明日も仕事なので)、オレの家に来ることになった。