キープアウト!―亮二サイドストーリー―

樹里はオレの知らない所で、傷ついていたんだ。

そう思うと胸が痛んだ。

「オレ、嫉妬深いし、独占欲も強いよ。やめるなら今のうちだぞ」

「いいよ。いっぱい独占してよ」

「その言葉忘れるなよ」

「うん…」

抱きついていた、樹里の体を離した。

ふと目が合う。

普通なら、このタイミングでキスなんだろうけど……

「樹里。これより先は、この部屋ではする気起きないぞ」

「そうだね」

樹里がヘラヘラと笑った。

相当、散らかった部屋。

雰囲気が無さ過ぎるぞ。

「良かったな。ズボラな部分も愛してくれる彼氏で」

「亮二もこんな女選んで後悔しない?」

「後悔してるならこの部屋いないよ。こんなだらしない部分見せられたら、余計にオレがいないとダメだなって思った」