キープアウト!―亮二サイドストーリー―

「追いかけてきてくれること期待してたから、かなりへこんだよ」

「またあたし達つき合えるかな?」

「つき合えるよ」

「嬉しい!!」

樹里が抱きついてくる。

すすり泣く声が聞こえてくる。

「また泣いてるだろ?」

「う……っ。だって……。あたしみたいな普通女が、亮二みたいなイケメンとつき合えるなんて思わなくかったから」

「イケメンじゃねーし。樹里は普通女じゃない。いい女だよ」

「皆、『佐伯くんの彼女普通じゃん』って言うんだよ」

「そんなの気にするな。オマエはいい女だ」

「うん……」

樹里が普通女だって?

ふざけたこと言いやがって。