この小さな世界の中で



「え?」



思わず聞き返してしまった。
だって今日会ったばっかりの
名前もなにも知らない、
しかもほんの五分前まで
まったく顔も知らなかったような
背の高い一個上の先輩が
「彼女になんねぇ?」なんて言うって
誰が想像できたと思う?



いや、ありえない。
こんなこと絶対ありえない。



「だから、俺と付き合わないか?って言ってんの。」



そういって、先輩はあたしの目を覗き込んだ。




......。




「えぇ!?!?!?」




思わず叫んじまったぜ。ふう。





先輩もあたしの突然の叫びに眉を寄せた。