1人うーんと考えていると
カシャンとはしごが音を立てた
「…あ」
声がした方をチラッと見ると
ひょこっと頭を出した男子と目が合った
そいつは少し目を大きく開き
すぐに目を逸らして降りようとする
「ストップ」
私の声に反応して
そいつはピタッと止まった
「ちょうど良い所に来た」
私の言葉に眉を寄せてチラリと此方を見る
「…何?」
「これ。あげる」
そう言ってパンを手にとって見せると
そいつは少し目を輝かせた
なんか
犬みたい
無言で上がってきたそいつを近くに座らせる
「貰いすぎて食べきんないからあげる」
手に持ったパンをヒョイと渡すと
「…どーも」
と、少し照れてるのかボソッと喋った

