この前の新入生に馬鹿にされた
自分だって私の名前間違えたくせに
まぁ別にいいけど
「あがつまって読むんだよ」
「ふーん。吾妻麗太ね」
そう言って麗太の顔を覗き込み
頭にぽんと手を乗せ
「…犬みたい」
と言うと
少し拗ねたように
「何それ…なんかムカツク」
と頬杖をついてそっぽを向いた
見た目が犬っぽい
明るい茶色のふわふわした髪が
左目を被っている
「それ…邪魔じゃないの?」
と聞くと一瞬瞳が揺れた気がした
「……別に」
「ふーん」
まぁ本人が話す気が無さそうだし
それ以上聞くことはしなかった
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