瞳の向こうへ

唯のドスの効いた声が三人を震え上がらせた。

「青柳君、監督は?」

「取材と国体に向けた練習で忙しいから運転手は無理だって」

「私が運転手です。恨むんなら監督を恨みなさい」

「頑張ってこいよ!俺たちより上目指せる確率あるんだからさ」

「あたしも、葵はもう間違いなく賞取れると思ってるから」

「だから、今日は彼とデートなんだよね〜」

「な!そんなんじゃないからね!」

顔を真っ赤にして否定する彩佳だが、この嫌み全開な唯は……。

「キャプテンも真緒ちゃんいるから来たんでしょ」

「お〜い、生田さん!あなたは何を言ってるかわかんねえぞ〜」

青柳君に飛び火して何とか振り払おうと必死だけど、あなたのガールフレンドがあなたに近づいてきて手を握りましたよ。

朝から眩しいよね。

「ちょっと……ま……」

「もう隠すの嫌だし。みんなが公認の方が楽しいよ?」