瞳の向こうへ

うっすらと曇り空が広がってるが雨の心配はない。

いつも通りの朝を迎え。

いつも通りの両親との会話。

普段と変わらず家を出た。

待ち合わせ場所は学校。

いつもとなんにも変わらない。

カウンセラー室に入るまではね。

『おはようございます』

『びっくりした〜。何でいるの?』

『今から練習が始まるんで』

一番乗りだと思ってみたら、翔君がバッグ抱えて立ってるじゃないですか。

『あれ以来だっけ?会うの』

『お互い忙しい身ですから。今日は大事な日なので早めに来ました』

『わざわざありがとうございます』

『先輩なら絶対大丈夫です。みんなが応援してますから。それと……』

『それと?』

『俺は今前へ進みかけてはいますが、光の先へはまだ届いていません。俺がそこへ届いたと判断したらこの場所で会ってくれませんか?』