瞳の向こうへ

まったく、うざいくらいのポーカーフェイスぶりだ。

もう一球今度は低めで。

打ってゴロになるのを期待しまーー。

…………。

また乾いた金属音だよ。

今度はレフトかあ。

二打席連続?それは勘弁してくれ!

ジャンプはしたが、わずかに届かずフェンス直撃。

ボールは転々と転がり、余裕で三塁へ。

俊足かよ!

盗塁にも気を付けろってことか。

新たな問題を整理する余裕もなく、なんと五番打者にスクイズを決められ二点差に。

さすがにキャプテンはその場で呆然と立ち尽くしていた。

こういうじわりじわりくる戦法が俺たちの体力を消耗させるんだな。

五回終了で0ー2でリードされてる。

攻略の糸口を見いだそうとキャプテンが中心になり長い円陣を組んだ。

これで、空気が変われば。