瞳の向こうへ

翌日、雲ひとつない快晴の夏空だった。

第一試合をよそに、俺たちは室内練習場で最終調整。

監督・キャプテン・俺の三人が取材に駆り出された。

テーマはただ一つ。

いかにして四番バッターを抑えるか。

俺は優等生発言を連発したけど、あとの二人はどうかなあ。

取材から解放された俺は練習場に戻った。

『終わったか?』

先にキャプテンが取材を終わらせていた。

そのまま室内でキャッチボールを始めた。

『なんて答えた?』

『気持ちで抑えるって言いました』

『だよな。それしか言えないしな』

『そうですね』

夕べ、キャプテンとのミーティングの結論がこれです。

どこに投げても打たれるんです。

なら、チームの迷惑にならない範囲でもう好きなように投げよう。ただし、気持ちだけは負けないようにしようと。

これが二人の約束事だ。