『それは私のセリフだと思うんだけどなあ』

翔君は飲みかけのお茶をテーブルに置いて床に座った。

『廉は?』

『まだ意識が戻ってない。それより、さっきの答えが聞きたいよ』

今廉の名前出されたらまた私……。

『別に……』

『別にって何?まさか、また俺の問題って思ってるの?自分ばっか被害者意識するのもうやめてくれる?廉が事故に巻き込まれたのよ!これは私たち家族の問題でもあるの!あなたの問題じゃない!』

やばいよ……。廉思い出してしまう。

翔君がぼやけて見え始めたよ。

『私だってあなたと同じように逃げて、逃げて、逃げて楽になりたいよ!でもね、大切な人を残して逃げることなんて嫌。今も必死で戦ってる廉の側にいないと私たちはその先へ進めないの。辛いけど、苦しいけど、その先にある光目指して前に進まなきゃいけないの!』