「先生、私は一旦宿舎に戻ります。明日のこともありますので……」
源先生は家族待機部屋を心配そうに眺めて未練がましく言った。
そう。大会は粛々と進む。止まることはない。
「それに、翔の状態も心配なので」
青柳君に聞こえないように源先生は私の耳元で細々と言う。
「どうなんですか?」
「まずいです。発作を起こしたような状態で部屋に引き込もってます。明日は恐らく……」
やはりそうか……。
事故の状況を直接確認したわけではないけど、翔君は廉君を見て昔を一気に思い出してしまったんだろう。
封印したはずの忌まわしい記憶・思い出をね。
源先生は家族待機部屋を心配そうに眺めて未練がましく言った。
そう。大会は粛々と進む。止まることはない。
「それに、翔の状態も心配なので」
青柳君に聞こえないように源先生は私の耳元で細々と言う。
「どうなんですか?」
「まずいです。発作を起こしたような状態で部屋に引き込もってます。明日は恐らく……」
やはりそうか……。
事故の状況を直接確認したわけではないけど、翔君は廉君を見て昔を一気に思い出してしまったんだろう。
封印したはずの忌まわしい記憶・思い出をね。


