瞳の向こうへ

……なんですか?人の仕事のお邪魔をする暇なお人は。

ここでは電話に出られないから、一旦部屋を出た。

廊下出ると空気が生ぬるいなあ。

「はい、もしもし」

『もしもし?大変なの!!』

松井記者!主語をおっしゃっていただかないと電話切りますよ!

「どうしたの?なんか騒がしいけど」

『聞いて!!野球部が泊まってるホテルに車が突っ込んだの』

「え!!嘘でしょ!!」

『ちょっと詳しいことはわからないけど、若い男の子が重傷らしいよ。また電話する』

誰かに怒鳴り声をあげてるところで電話を切った。

若い男の子……。

いや!まさかね……。

廉君は確かそこに寄り道するって言ってたけど……。