瞳の向こうへ

また窪さんが表情一つ変えない。

まるで打って当然といわんばかりだった。

『大丈夫か?』

『慣れてますから』

川島さんの捕まり具合を肌で感じたキャプテンが俺に変な気をつかってきた。

まだ相手が窪さんに決まってないよ。

そんな俺の現実逃避をことごとく打ち砕いてくれる窪さん。

第三打席はストレートの四球。

続く第四打席も四球。

極め付きの第五打席はフルカウントからのバックスクリーンへライナーで飛んでいきました。

10ー2。

試合終了と同時に球場を出ました。

窪さんがここまで凄いとは。

今大会ここまで鳴りを潜めてたが、ついに合わせてきたようだ。

ついでに、明日その窪さんと対決することが決まりました。

第二試合です。どちらでもよかったんだけど。

抽選したキャプテンが土下座しかけました。