瞳の向こうへ

こんな時にうまくフォローが出来ない私はまだまだ甘ったれてますね。

こんな時に頼りになるはずの潤子先生は、目を閉じたまま腕組みして黙ったまま。

これって、気まずい空気なんじゃない?

でも、加奈子ちゃんは双眼鏡使って強豪校の野球部員を無邪気にチェックしてます。

気のせい……だと信じます!

開会式も終わって、これから熱い大会が始まります。

潤子先生は一足早く帰るとのこと。

「ごめんね。早く帰らないと短気な旦那様がへそ曲げるんだあ」

言葉に力がこもってません。

朝から薬飲んだらって口酸っぱく言ってるのにとうとうシカトです。

変なところで意地を張る先生ね。

球場を出て加奈子ちゃんに別れを告げた。