瞳の向こうへ

この変わり身の早さ。さすがですよ。

「……あ!でも、松井さん、私の取材するんじゃなかったんですか?」

張り切ってる松井さんに冷や水をぶっかけてしまいました。

松井さんはすっかり頭から抜け落ちてたみたいで、しばらく間があったあと現実に戻ってきて頭抱えちゅった。

「ああ!!バカだわ〜」

「やってくれたな〜」

「まあ、こんなものですよ」

もう疲れてフォローにもなってない。

「先生たちは似た者同士で〜す!」

「大丈夫!食べながら取材します!」

もうこうなったら何でもありね!

「出来るの!って思ってるでしょ?記者魂見せてあげますので」

安心できないよ〜。

「とりあえずまずはグリコね。もう時間もったいないから」

松井さんのやけくそ気味なリーダーシップにやけくそ気味についていきます。

そして、やけくそ気味に夜は楽しんでやろうと腹を決めました。