瞳の向こうへ

「今日の夜は楽しみましょ!食い倒れよう!!」

そうだった。今日は潤子先生とお泊まりだったんだ。

荷物はホテルに送ってるので、荷物はポーチのみ。

こんな発想は、私のお友達にはなく潤子先生とはとことん合います。

ちなみにホテル代も松井さん持ちらしいです。

大丈夫かなあと心配になるけど、ここは未成年の小娘という立場を存分に利用させていただきます。

「食べられるかなあ……」

「遠慮しないで。二人で割り勘にするから」

「ん?何か言った?」

「あれ〜?スマホは生徒に持ってこさせ、生徒の目の前で仕事放棄みたいな言動したの誰ですかね〜。近くにいるぞ〜」

わざとらしく辺りを見渡す松井さん。

夕方の大都市は人気がないの?

猫も犬もいないよ。

「葵さん、二人の割り勘だから遠慮はしないでよ!せっかくだもん。保護者二人にお任せあれ」