手話が慣れていない相手に高速手話をお見舞いしてあげた。


俺がイラっときてるのわかるだろう。


そんなことは俺が一番よくわかってるさ。


いずれは……。


いずれ……俺は決着をつける……はずだ。


『遅い!』


クラスの中で唯一手話が出来る相楽廉君が笑顔で俺を迎え入れてくれた。


『ごめん。よし!メールで話そう』


『OK』


廉君が女子たちに説明してるようだ。


普通なら警戒心でメールゲットも期待しないほうがよさそうだが。


『みんなOKだって。イケメンはうらやましいねえ』


廉君のため息まじりの手話。


どうやら一日でかなりの数のアドレスをゲット出来そうだ。


『よろしく。これからいっぱい遊ぼうね』


遊び人の血がよみがえってきそうだ。


まだ学生二年目だし。


遊ぶのは今。


おっと!あまり目立つとクラスのボスに目つけられそうだなあ。


気を引き締めようとするが、大量の女子のアドレスを眺めてると口元がつい緩んでしまっていた。