瞳の向こうへ

「娘が先生どうしてるんだろうとずっと気にして」

「私たちが言うのも何かおかしいかも知れませんが、娘に是非会ってほしいんです」

人生でこれほど人に頭を下げされたことはないです。

下げるのは、このポンコツカウンセラーです。

「そこまでおっしゃって頂けてありがたいです。是非お願いできますか?」

「どうぞ」

ご両親の優しさに申し訳なさを感じます。

「あ!先生、来ましたよ」

ちょっと、まずいよ〜。


まだ心の整理なるものをつけてないです〜。

恐る恐る振り向きました。

自力で車椅子を押してる彼女がいました。

看護師さんと楽しげに会話してるのを今から邪魔します。