瞳の向こうへ

暑くて参ってるのに、ウザさが加わって私の頭もショートしそう。

「今さら見せたって悪いもん」

「え〜、いつも自慢げに見せてたじゃ〜ん」

何?青柳君の腹立つギャル口調。

「葵〜、秘密を持ってるのはやめようって約束したはずだよね〜」

唯さんが私の頬をツンツンしてきます。

そんな約束……したような……してないような……。

「教えてくださいよお姉さん」

青柳君も負けじとツンツンしてくる。

この男はただの野球少年から卒業してから変わったね。

変わらせた私が全て悪いんだけど、ここまでとは計算外。

テストに通ずるものがあるんですね。

少しあてにしてた男女二人組は答案用紙受け取ってそそくさと自分の席に戻って撃沈してて見ているのも辛くなった。