天ノ月

早く、と促され私はミカエルの部屋から追い出された。

そして暫くして部屋から聞こえてきたのは話し声。


(ミカエル…様?)


戻ってきたのだろうか。


「すみません、では行きま………なんですかその顔」


部屋から出てきたタミエルは、眉を寄せた。


「…私今どんな顔してる?」


「酷く歪んでますよ」


そして、鼻をつままれる。


「行きましょう。ミカエル様から許可もいただきました」


強引にずるずると私を引っ張るタミエル。

扉の向こうには、ミカエル様がいるというのに。


(…お顔、見てみたいな)


どうして顔を見せるのを拒むのだろう。
いや、隠しているわけではないのかもしれないが。

そんな上の空の私をタミエルが容赦無く叩いた。