「しっかり掴まって。落ちますよ。」


その声で白い羽根から天使に視線をずらせば、綺麗な顔と目が合った。


「貴方は…?」


「私は天使のタミエルと申します。」


そして私が再び口を開こうとした瞬間、いきなり強い衝撃が体に走る。
目をきつく閉じ、次に目を開けると、そこは。


「すごい…」


ポツリと呟くと、天使が優しく微笑む。
眼下に広がる私の町は、夕暮れに染まってとても綺麗で、何故か涙が出そうになる。


「神にお仕えして、この世界を守ってみたくありませんか?天使として」


天使の言葉が、耳に入りそのまま胸の流れ込む。
とても規模の大きいことを言われた気がしたが、タミエルの深い眼差しを受け思考が停止する感覚に陥った。