「ラファエル様って癒しの天使って言ってたよね?見た目も癒し系?」


私が話を振れば、タミエルは首を捻り真剣に答えを返してくれる。


「癒し系…?まぁ、綺麗な方ではありますが…。髪はふわっとしてますかね…」


「じゃあ結構癒し系だねー」


微笑んで言えば、そういうものなのか、とタミエルが納得するような仕草を見せた。


(…無駄に可愛く見えるのはなんだろう…)


タミエルをぼんやりと観察する。


「…あ。不味い。サラ、岩陰に隠れて下さい。」


急にタミエルが背筋を伸ばし、何か緊急事態が起こったと察した私は急いで後ろへ隠れた。

タミエルは私の方へ手を翳し目を瞑っている。


「いいと言うまで動かないで下さい。喋ってもいけません。」


そう言うと再び書物を手に取るタミエル。

何が起こっているのかさっぱり分からない。