「ここの場所、もうバレてるよ。早く逃げないと」

 おっちゃんはGPSを見つめながら何かを考えているようで、僕の慌てぶりには一切目をくれなかった。 

「おっちゃん・・・・」

「うるさい」

 こんな事をしてる間に仲間が来たらどうするんだよ。今度こそ本当に殺されてしまう。

「なあ、小僧。俺たちゃあ既に面が割れてるんだぜ。だから俺もこんな瓦礫の中に身を潜めて暮らして来たんだし、奴らが秘密を知ってる俺たちをこのまま野放しにしておくと思うか?俺が逆の立場だったら、また開発に舞い戻られて取り返しのつかない事になる前に消えて貰うことを選択するだろうな」 

「じゃあ、どうしたら良いんだよ?」

 僕は泣きそうになったが、涙だけはグッと我慢した。 

「これを逆に利用出来れば良いんだが」

「え?まさか、奴らと戦うつもりなの?」

 おっちゃんは返事しなかった。 

「駄目だよ、おっちゃん。勝てやしないって」