「で、なんでこんなところに毎回毎回来るのだ。」


皆が意味嫌い近付かない魔界は森を抜けた奥にあり、そこには危険な魔物が住み着く上に太陽の光がほとんど届かない闇の世界。そこにわざわざ来る意味がセシルにはわからなかった。



「うーん。僕もよくわからないんだ。」


のんきに「どうしてだろー」とまるで他人事のように言うフラン。


のんきそうに笑っているがフランは自分の中にある感情に戸惑っていた。


本当どうしてだろう。
気付いたらセシルのこと考えて
無性にセシルに会いたくなる


この感情を表現する言葉はこの世界にはなかった。


人の人生が黒姫によって決められるこの世界では恋も愛も何もないのだ。