「うーっと、シャワー浴びようなのだ。」

楽しい思い出が今の辛い現実をもっと辛いものにした。そのことを忘れようと頭をフルと汗だくなのに気が付いて洗い流そうとシャワー室に歩いて行こうとしたら・・・


ーむにゅ


「むにゅ?」

足の裏になにやら暖かくて柔らかいものを踏んだような感触が伝わってきた。


「う、うさぎさん!?」


下を見ると魔界にはいないはずの真っ白なうさぎがそこにはいた。


「わわわあ!ご、ごめんなのだ!」


うさぎを慌てて抱えてデカイ城にある研究室に連れて行く。


ーー研究室ーー


研究室には試験管や謎の薬が散乱していてこれからうさぎの解剖でも始まるんじゃないかと思わせるような絵面だった。


「うーっと、これとこれでこうしてっと。できたのだ!」


いつもヒーロー役にやられっぱなしのセシルなのでキズの治療には長けていた。


「これでもう大丈夫なのだ。」


うさぎの滑らかな毛を撫でると意外に気持ち良くてついついずっと触っていたくなる。


「あ、そういえばシャワー浴びようとしてたのだ。ちょっと待ってるのだ。」


本来の目的を思い出してうさぎを残して研究室を後にした。