まだ、郵便もない時代。


ごとごとと大きな石がでている道を
ここのところずっと、揺られていた。

私たちが住んでいた東村は村長が謎の病で倒れてしまって、
隣の街の村に東村を乗っ取られてしまった。
そう、居場所のなくなった私たちは、村長の親戚がいる南村へ向かっている。

リアカーしかないこの時代。
私は、お父さんがリアカーを引いて、妹と私がリアカーで荷物を抑えている。
そして、後ろからお母さんが押している。
私たちの小さな村だったので、リアカーもそう多くはない。
合計で6個ぐらいだ。
それにくらべて・・・南村は2倍の面積で、その倍の住民の数らしい。
私たちが入っても困らないほどに、大きい。
約2日半かけて、やっとたどり着いた。

村に入ると村長の親戚であるという、
ロンさんが出迎えてくれた。